烏鷺光一の「囲碁と歴史」

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因幡二十士

 鳥取市内を車で移動中、路地に「因幡二十士山口謙之進正次の墓所」という案内板を見つけ立ち寄ってみました。
 因幡二十士については全く知識が無かったので調べてみると全国的には無名ですが明治維新に大きく関わった人々であった事が分かりました。



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「因幡二十士山口謙之進正次の墓所」案内板




 幕末の混乱時、どこの藩内でも公武合体派と尊王攘夷派の、どちらを支持するか議論が行われていました。鳥取藩では新藩主・池田慶徳公は尊王攘夷派の中心人物であった水戸斉昭の息子でしたが、鳥取藩は家康の血筋の徳川親藩であった事から微妙な立場にありました。
 文久3年(1863)当時、朝廷内は三条実美など長州と結びついた攘夷の急進派が実権を握ります。尊攘急進派は孝明天皇が大和国の神武天皇陵や春日大社へ行幸し、ここで攘夷と討幕を決行するという計画を立てます。
 池田慶徳公は尊王攘夷派ではありましたが急進的な改革には反対の立場をとり、大和行幸は時期尚早であると同調する諸侯とともに阻止します。そのため急進派は慶徳公を誹謗中傷する張り紙を京都市中に張り出します。
 鳥取藩の尊王攘夷派は藩主が攘夷に傾かないのは側近の公武合体派が邪魔しているからだと考え、同年8月17日に藩士たちの京都での宿舎・本圀寺を襲い側近4名を殺害します。、この事件は因幡二十士事件(別名本圀寺事件)と呼ばれています。
 実行犯は全部で22人でしたが一人は翌日失踪。もう一人は暗殺した人物が大変世話になっていた人であったため自責の念にかられて切腹します。残った20人は謹慎し「因幡二十士」と呼ばれました。
 大変な事件ではありましたがこの出来事はあまり語られていません。歴史に詳しい方はピンとくるかもしれませんが、事件の翌日、8月18日は会津・薩摩が長州など急進的尊王攘夷派を御所から追放したクーデター「8月18日の政変」が発生しています。その騒乱により事件は埋もれてしまったのでしょう。
 側近を殺害された慶徳公は激怒しましたが関白のとりなしで二十士は切腹を免れます。彼らは鳥取藩に帰り幽閉されますが、慶応2年(1866)に幕府による第二次長州征伐が始まると幽閉先を抜け出し長州へ向かいます。長州と鳥取の調停を目指したとも言われますが、彼らの逃走を知り殺害された四人の藩士の親族18人が仇討のために後を追います。
 出雲藩領に到着した二十士は足どめをくらいますが5名だけ現地に残すことで他のメンバーは先に進みます。結局この5名は後を追ってきた18名の仇討により命を落としましたが、残りのメンバーは長州藩に匿われ幕末の志士として活躍します。鳥取藩が明治新政府の側につくと恩赦により藩士の身分も回復しています。
 因幡二十士のリーダーは河田左久馬という人で京都留守居役の時に桂小五郎と知り合い尊皇攘夷思想に目覚めます。池田屋事件の際は桂小五郎と同様、池田屋への集合時間に遅れたために難を逃れています。廃藩置県により最初の鳥取県権令(知事)となり、貴族院議員も務めました。
 案内板のあった山口謙之進については詳細は分かりませんが、明治以降、大蔵省、内務省に出仕していたそうです。



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山口謙之進正次の墓所




 因幡二十士について調べていたら中井範五郎という人の墓が、先日紹介した後藤又兵衛の墓がある景福寺にある事が分かり引き返してみました。
 中井範五郎は戊辰戦争で大総督府監軍として参加します。この時、箱根の関所では旧幕府の遊撃隊と新政府側についた小田原藩が交戦中でしたが江戸で彰義隊が上野戦争を始めると動揺した小田原藩は新政府を裏切り遊撃隊と和睦します。それを知らない中井は小田原藩側を陣中見舞いし斬殺されました。
 その後、新政府軍の圧力により藩滅亡の危機を感じた小田原藩は再び新政府軍に恭順し遊撃隊を退けます。中井は「箱根戦争」と呼ばれる事件での犠牲者でした。
 




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中井範五郎の墓




山口謙之進正次の墓 : 鳥取市安永252-1 JAグリーン千代水店の南側



中井範五郎の墓 : 鳥取県鳥取市新品治町135  景福寺
                (山門をくぐって左手の墓所)

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