烏鷺光一の「囲碁と歴史」

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太宰治の墓

 禅林寺の文豪森鴎外の墓の前に、「走れメロス」「人間失格」などで知られる太宰治の墓があります。太宰の遺言により敬愛する森鴎外が眠る禅林寺に葬られたそうです。
 太宰治(本名:津島修治)は青森県津軽の大地主の家に生まれた太宰は、16歳の頃から小説やエッセイをクラスメートと作った同人雑誌に書き始めています。 弘前高等学校在学中、芥川龍之介に傾倒していた太宰は芥川の自殺に衝撃を受け学業を放棄。花柳界に出入りし、料亭で15歳の芸妓・小山初代と知り合い深い仲となります。そして20歳の時に、左翼思想に傾斜し資産家の子という自分の出身階級に悩み睡眠薬による自殺を図り一命を取り留めます。
 翌年、東大仏文科に入学していた太宰は井伏鱒二のもとを訪れ弟子入りする一方、愛人関係にあった小山初代に、身請け話が持ち上がったため、彼女を上京させ同棲を始めます。故郷で騒ぎとなったため津島家を継いでいた太宰の兄は上京し、太宰に初代との結婚を認める代わりに本家からは除籍する事を告げます。太宰の兄は、手続きのために一旦、初代を連れ帰り、分家の届出と小山家との結納の手続きを行ないます。
 ところが、この手続きが行われる中、太宰は銀座のカフェの女給・田部あつみ(19歳、人妻)と出会い、浅草見物など3日間を共に過ごした後、睡眠薬で心中を図ります。太宰は一命を取り留めますが、田部は亡くなり警察は自殺幇助で捜査しますが兄が奔走し起訴猶予となっています。
 その後、太宰は小山初代と仮祝言をあげ、兄の援助で東京で新生活を始めますが、屈折した罪悪感から左翼運動に没頭していき警察が動き出しています。激怒した兄は左翼運動を止めないかぎり支援をやめ縁を切ると告げたため太宰は活動を断念しますが、仲間を裏切ったという心の傷を更に負うこととなります。
 以後、井伏の指導のもと、執筆活動に専念していましたが、1935年、26歳の時に授業料未納のために大学から除籍され、新聞社の入社試験にも落ちたため、3回目の自殺未遂を起こしますが助かります。この自殺未遂の直後、盲腸炎から腹膜炎を併発した太宰は入院先で鎮痛のため使用した麻酔剤が元で薬物中毒になります。太宰の薬物依存があまりに深刻な為、心配した井伏らが強制的に精神病病棟に入院させ、一カ月後に完治して退院します。この時の体験で太宰は「自分は人間とは思われていない、自分は人間を失格してしまった」と考え、後に「人間失格」へと繋がっていきます。
 更に、太宰が入院中に初代が浮気していた事を告白し、ショックを受けた太宰は初代と睡眠薬で自殺を図かりますが今回も未遂になり二人は離婚します。
 しばらく筆を絶っていた太宰を心配した井伏は、気分転換のために自分が滞在していた山梨県御坂峠に招待し、太宰は徐々に精神の安定を取り戻していきます。そして、井伏の紹介により高校教師・石原美知子と婚約し、1939年30歳の時に再婚、三鷹に転居し、以後死ぬまでここで暮らしています。
 敗戦を津軽の生家で迎えた太宰は1947年、38歳の時、神奈川に住んでいた愛人・太田静子を訪ね滞在中、太田をモデルに没落貴族の虚無を描いた「斜陽」を執筆、同年には太田との間に娘が誕生します。太宰の子、太田治子は後に小説家となっています。
 治子が生まれた年、「斜陽」が大ヒットし名声を得ていた太宰は三鷹で戦争未亡人の山崎富栄と出会い愛人関係となります。
 1948年に過労とお酒により結核が悪化した太宰は富栄の懇親的な看病のもと、栄養剤を注射しながら自身の生涯にも通じる「人間失格」を執筆。
 6月13日深夜、連載中の「グッド・バイ」の草稿、妻に宛てた遺書、子どもたちへのオモチャを残し、山崎富栄と共に自宅近くの玉川上水で入水自殺。幾度も自殺未遂を繰り返してきた太宰でしたが、とうとう最期の時を迎えたのでした。
 太宰の遺体は著名人であったため立派な棺に入り運ばれていきましたが、愛人の富栄はムシロを被せられたまま放置され父親が引き取ったとの事です。
 禅林寺の太宰の墓の隣りに津島家の墓がありますが、これは夫人の美知子の墓です。

太宰治の墓
太宰治の墓

案内図
墓地の案内図

東京都三鷹市下連雀4-18-20
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